2023年7月18日火曜日

校長室便り「ともに」第21号 1学期間の御理解御協力に感謝いたします。非認知能力を伸ばす(その3)

 

明日は1学期の終業式です。1学期は,子供たちに大きな事故やけがもなく,日常の学習活動,そして運動会や校外学習,たてわり活動等も,感染症対策を緩和しながらほぼ予定とおり実施することができました。子供たちにとっても充実した日々だったと思います。これも保護者の皆様,地域の方々の御理解・御協力のおかげと感謝いたしております。

さて,前号の続きで「非認知能力」を育てるために,私たちが何をすべきか考えていきたいと思います。非認知能力が世界で注目され始めたきっかけは2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームス・ヘックマン(James Heckman)の主張にあります。この主張をきっかけに各国で研究が進み,世界的に非認知能力の育成が重視されるようになりました。

新しい指導要領では,育成すべき資質・能力の三つの柱を以下のように整理していますが,その中の「学びに向かう力 人間性等」が非認知能力に当たります。

お茶の水女子大学では,全国学力・学習状況調査の結果と児童生徒・保護者の意識調査との関係を分析し,その中で非認知能力を向上させるための大切なヒントや,非認知能力を伸ばす具体例を示しています。

〇保護者の日常的な働きかけが子供の非認知能力を向上させる。
 ・子供の良いところをほめるなどして,自信を持たせるようにしている。
 ・子供に努力することの大切さを伝えている。
 ・最後までやり抜くことの大切さを伝えている。
 ・毎日子供に朝食を食べさせている。
 ・地域の行事やボランティア活動に参加するように促している。

また,この研究では,家庭環境と可視化できる学力(認知能力)との関係についても分析し,以下のような家庭は学力が高い傾向があると指摘しています。

・学校の出来事,友達のこと,勉強や成績のこと,将来や進路,地域や社会の出来事やニュース等の会話が多い。

・テレビ,ビデオ,ゲーム,インターネットのルールを決めている。

・自分の考えをしっかりと伝えられるようになることを重視している。そのために,子供の話をよく聞くようにしている。

・地域や社会に貢献するなど,人の役に立つことを重視し,保護者自らがそのような活動に参加している。

  非認知能力を向上させるためのキーワードは,

「会話する」「聞く」「挑戦させる」「ほめる」「認める」「励ます」「自分で決めることを大切にする・増やす・支える」「貢献心」  ということなのですね。

前号までに書いてきたとおり,実はこれらは学校でも家庭でも,これまでもやってきたことなのです。不易(時代が代わっても一貫して変わらないもの)と流行という言葉がありますが,不易であるこれらのことをもう一度,学校と家庭でともに大切にしていきたいと思います。 

明日通信票を配布します。ご覧になる際,先日のお便り「個別面談の流れと令和5年度通信票について(お知らせ)R5.7.11」をもう一度お読みください。また,本校のインスタグラムの中でも日々の学びのあしあとを発信していますので併せてぜひご覧ください。

お子さんの具体的な学びの姿につきましては721日より実施する個人面談でもお伝えしますので,御家庭で1学期にがんばったことや楽しかったこと,成長したことをぜひ話してください。ほめて認めてください。そして,長い休み中の生活のリズムについても話し合い,自己決定したことを根気強くやり抜くことを励まし,2学期につながる「やる気の種」を育てていきましょう。


☆今日のキラキラ☆ 

2年生のAさんと3年生のBさんが,「校長先生,またごみを拾ってきました!」と,それはそれは嬉しそうに,登校時に拾ってくれた袋いっぱいのごみを見せてくれたのです。「ありがとう。2人のおかげで町がきれいになったね。みんなが気持ちよく過ごせるね。」心が温かくなるプレゼントをもらいました。こんな素敵なキラキラに出会えることを幸せに思います。

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